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オードリー・ヘプバーンを嫌いな人はいない?
オードリー・ヘプバーンほど日本人に認知され、愛されているハリウッド女優がいるだろうか。彼女のことを嫌う映画ファンはいないと言っても過言ではないが、その“完璧さ”に何となく違和感を覚える人はいるかもしれない。しかし、それは“個人としてのオードリー・ヘプバーン”について、ほとんど知られていないことが原因と思われる。
いまだファッションアイコンとしても崇拝される彼女が最初に女優として注目を集めたのは舞台のステージ上。のちに『ローマの休日』(1953年)でアカデミー賞とゴールデングローブ賞を受賞し、さらにエミー賞やトニー賞も受賞している俳優は言わずもがな、とても希少だ。
知名度を活かした慈善活動のパイオニア
2022年公開のドキュメンタリー映画でも描かれていたように、「愛されたい」と強く願った彼女は、むしろ愛の尊さを伝えることに人生を費やした。彼女のイメージが若い頃の出演作に偏っているのは、ユニセフの親善大使としての晩年の活動を知る機会が現代よりも多くなかったからだろう。
今でこそハリウッドスターが知名度を活用して慈善活動することは珍しくないが、オードリーこそがその先駆だった。自身も戦時中は飢餓に苦しんだからこそ、必要な支援を受けられない痩せ細った子どもたちを見ぬふりはできなかったのだ。
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『ローマの休日[4K]』『ティファニーで朝食を』『暗くなるまで待って』『尼僧物語』『パリの恋人』
CS映画専門チャンネル ムービープラス「特集:オードリー・ヘプバーン」で2024年8月放送