日本映画界屈指の鬼才・石井裕也監督(『月』『舟を編む』)の最新作『本心』が、11月8日(金)より公開される。このたび、意味深な表情が印象的なポスタービジュアルが解禁となった。
“人間の存在”を揺るがす、革新的ヒューマンミステリー
原作は、映画化も話題となった「ある男」の平野啓一郎による傑作長編小説「本心」。キャストには、近年ますます活動領域を拡張している俳優・池松壮亮を主演に迎え、三吉彩花、水上恒司、仲野太賀、田中泯、綾野剛、妻夫木聡、田中裕子ら日本の映 画界を牽引する豪華実力派俳優陣が集結した。
今回、主演を務める池松は、これまで『ぼくたちの家族』や『アジアの天使』など映画、ドラマを合わせ8作品の石井監督作品に出演しているが、9作目の2人のタッグとなる本作は、テクノロジーが発展し続けるデジタル化社会の功罪を鋭く描写。今と地続きに近い将来、“自由死”を望んだ母の“本心”を知ろうとしたことから、進化する時代に迷う青年を映し出し、日本映画界の新境地を切り開く。
AIで心を再現したとき、人は何を見つけ、何を失うのか
本作は、原作を読んだ池松が、全幅の信頼を寄せる石井監督に「今やるべき作品」と企画を持ち込み、俳優歴24年にして「気の抜けない脚本だった。こんなに集中した夏は初めて」と語る意欲作。
原作との出会いを、「忘れもしない、コロナが蔓延した、2020年の夏でした。当時無謀にも、上海で中国映画の撮影に参加していたのですが、コロナによる2週間の隔離期間がありました。ホテルに缶詰め状態だった時間に一気に連載を読みきったのですが、あまりにも面白くてゾクゾクしました。自分がまだ言葉にできない、実感のない不安が、全て描かれていて『これは自分の話』と思わされました。あまりにも強いインパクトを感じる出会いでした」と語る。そして、池松に薦められ原作を読んだ石井監督もまた、「傲慢な言い方をすれば、自分の話だと感じました。主人公が抱えている不安は今後確実に自分も追体験するものでしょうし、その状況においてどう生きるかを物語の柱にすれば画期的で面白い映画になると確信しました」とコメント。
原作を読み、2人ともが奇しくも「自分の話だ」と感じていた「本心」。映画完成後、池松は「今回改めて、そして何度も石井さんの持つ能力の素晴らしさを実感しました。実現が難航するなかでありったけの力をこの作品に注ぎ込み、みんなを導いてくれて完成させてくれたことに、心から感謝しています。石井さんが新たな題材に出会うたびに、より深く、多角的に新しい発見をさせてもらっている気がします。仕上がりを観て『早く多くの方と共有したい』と自分自身思えるものになり、公開を待ち遠しく思います。きっと、この時代に共に生きる様々な個をもつ方々に、自分ごととして観てもらえる要素がたくさん詰まった映画になったのではないかと思っています。11月8日より全国公開です。お手元のカレンダーに是非ご予定を追加していただけたら幸いです」と語り、自信をのぞかせる。
ポスタービジュアルでは、進化する時代に翻弄され、自らの“存在”や“本心”をも見失っていく朔也(池松壮亮)と、そのまわりの人間たちの意味深な表情が映し出される。
『本心』は11月8日(金)より全国ロードショー