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眞栄田郷敦は〈好き〉の先にある〈覚悟〉をどう表現したのか? 映画『ブルーピリオド』最強キャスト陣の魅力をネタバレなしで解説

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ライター:#BANGER!!! 編集部
眞栄田郷敦は〈好き〉の先にある〈覚悟〉をどう表現したのか? 映画『ブルーピリオド』最強キャスト陣の魅力をネタバレなしで解説
©山口つばさ/講談社 ©2024映画「ブルーピリオド」製作委員会
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「マンガ大賞2020」を受賞した人気漫画の実写映画化作品『ブルーピリオド』が、8月9日(金)より全国公開となる。流れに任せて空気を読みつつ空虚に生きていた高校生が、1枚の絵をきっかけに美術の世界にのめりこんでいく姿をエモーショナルに描いた感動ドラマだ。

©山口つばさ/講談社 ©2024映画「ブルーピリオド」製作委員会

「原作もの」の高いハードル

本作はいわゆる“漫画原作もの”だが、国内のあらゆる漫画賞を席巻した原作やアニメ化によって物語のクオリティは証明されている。ゆえに実写化発表時点で強く話題になったのは、やはりキャスティングだ。

キャスティングは小説や漫画作品の実写化における最初のハードルだが、『ブルーピリオド』においてはその不安も早々に払拭された。高校の美術の授業で<絵>の楽しさと奥深さを知る主人公・矢口八虎を演じるのは、あの眞栄田郷敦である。

©山口つばさ/講談社 ©2024映画「ブルーピリオド」製作委員会

眞栄田郷敦という「説得力」

近年はアクションやサスペンスを主戦場としてきた若手実力派の筆頭である郷敦ならばという信頼感と、金髪チャラめな高校生というキャラクター像に深みをもたらすルックス、そして作品ジャンルに関わらず観客の深読みを誘発する、生まれ持った“眼”の力――。興奮や焦り、悲しみ、怒りなど秒単位で揺れ動く若者の感情を表現するには、一瞬のアップショットにも無数の情報を詰め込むことができる郷敦の起用は大正解だった。

そもそも原作ものは、映像化作品と相互に影響し合う。観てから読むか/読んでから観るか、つまり行ったり来たりが可能という意味もあるが、小説にしても漫画にしても映像作品を意識して描かれることが当たり前になった現在では、カメラアングルや動きの演出に対して観る側の意識も大きく変わった。そういう意味で、とくに高橋文哉が演じる「ユカちゃん」こと鮎川龍二は、実写化ならではの魅力にあふれている。

©山口つばさ/講談社 ©2024映画「ブルーピリオド」製作委員会

次ページ:原作キャラクターの魅力を倍加するキャスト陣
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『ブルーピリオド』

生きてる実感が持てなかった。あの青い絵を描くまでは―これはからっぽだった俺が、初めて挑む物語。
ソツなく器用に生きてきた高校生・矢口八虎は、苦手な美術の授業の課題「私の好きな風景」に困っていた。
悩んだ末に、一番好きな「明け方の青い渋谷」を描いてみた。
その時、絵を通じて初めて本当の自分をさらけ出せたような気がした八虎は、美術に興味を持ちはじめ、どんどんのめりこんでいく。
そして、国内最難関の美術大学への受験を決意するのだが…。
立ちはだかる才能あふれるライバル達。正解のない「アート」という大きな壁。経験も才能も持ってない自分はどう戦う!?
苦悩と挫折の果てに、八虎は【自分だけの色】で描くことができるのか。

眞栄田郷敦
高橋文哉 板垣李光人 桜田ひより
中島セナ 秋谷郁甫 兵頭功海 三浦誠己 やす(ずん)
石田ひかり 江口のりこ
薬師丸ひろ子

原作:山口つばさ 『 #ブルーピリオド 』(講談社「月刊アフタヌーン」連載)
監督:萩原健太郎
脚本:吉田玲子

制作年: 2024