柴咲コウ主演、黒沢清監督が自身の作品をリメイクした『蛇の道』が、6月14日(金)より公開中。このたび、パリで働く日本人の心療内科医・新島小夜子(柴咲コウ)が、曇天のパリの街で娘の復讐を目論むアルベール(ダミアン・ボナール)の手助けをする、黒沢ワールドへのいざなう本編冒頭3分半の映像がノーカットで解禁となった。
時と国境を越えて辿り着く、完全版“リベンジ・サスペンス”
『岸辺の旅』で「第68回カンヌ国際映画祭」ある視点部門・監督賞を受賞、『『スパイの妻 劇場版』(20)では「第77回ヴェネツィア国際映画祭」銀獅子賞を受賞、『Chime』(24)のワールド・プレミアを「第74回ベルリン国際映画祭」で行うなど、世界三大映画祭を中心に国際的な評価を次々に獲得し、世界中の映画ファンから熱い視線を浴び続けてきた監督・黒沢清。本作は、そんな黒沢監督が、98年に劇場公開された同タイトルの自作をフランスを舞台にセルフリメイクし、自ら「最高傑作ができたかもしれない」と公言するほどのクオリティで放つリベンジ・サスペンスの完全版である。
愛娘を何者かに殺されたアルベール・バシュレは、パリで働く日本人の心療内科医・新島小夜子の協力を得ながら犯人探しに没頭、復讐心を募らせていく。だが、事件に絡む元財団の関係者たちを拉致監禁し、彼らから重要な情報を手に入れたアルベールの前に、やがて思いもよらぬ恐ろしい真実が立ち上がってきて…。
アルベールの復讐に協力する小夜子に扮したのは、柴咲コウ。NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』(17)でタイトルロールを演じ、『君たちはどう生きるか』『ミステリと言う勿れ』(23)などの話題作への出演でも知られる彼女が、フランス語の厳しいレッスンに臨み、現地で実際に生活をして、パリで暮らす謎多きヒロインを完璧に自分のものにしている。復讐に燃えるアルベールを演じたのは、『レ・ミゼラブル』(19)でセザール賞主演男優賞にノミネートされた注目のフランス人俳優、ダミアン・ボナール。また、『ドライブ・マイ・カー』(21)、『首』(23)で世界的に注目を集め、黒沢監督とは5度目のタッグとなる西島秀俊が心を病んだ小夜子の患者・吉村役で、『ゴジラ-1.0』『犯罪都市 NO WAY OUT』(23)など国内外の話題作への出演で勢いに乗る青木崇高が小夜子の夫・宗一郎役で出演。さらに、『ダゲレオタイプの女』(16)に続く黒沢監督作品への出演となるマチュー・アマルリック、『ネネットとボニ』(96)などのグレゴワール・コランらフランスの名優が拉致される財団の幹部に扮し、脇を固める。
アルベールの娘は、誰に、なぜ殺されたのか。事件の思いがけない首謀者とは。国境を越えた<徹底的復讐>の先に待ちうける真実とは——