ブラウン管に映る『荒野の七人』で実家のリビングも西部劇モード!
https://www.youtube.com/watch?v=GB8d-vpyL7Q
黒澤明の『七人の侍』のオリジナルは『荒野の七人』……ってなボケも、「玉袋筋太郎ごときに映画を語って欲しくない!」なんて炎上されちゃうと困っちゃうんだよ! 失礼しましたぁ~。
てなことで、此度私がつらつらと書く『荒野の七人』っていう映画、本当は「宇宙の七人」をモチーフにした『サボテン・ブラザース』(1986年)が元ネタでした。と、まだボケんのかよ! まぁ、こんがらねえようBANGER!!!編集部に、この映画の“あらまし”を入れてもらおうっと! 編集部様よろしく!!
『荒野の七人』(1960年)
毎年、野盗に襲われるメキシコの寒村イストラカン。そこで村の長老は助っ人を雇うことを決意する。わずかな報酬にすぎなかったが、農民達の熱意に打たれて7人のガンマンが集まってきた。着々と進む戦いへの準備!思わぬ農民たちの抵抗により、いったんは逃げ帰った一味だったが……。
巨匠・黒澤明による不朽の名作『七人の侍』(1954年)を、ジョン・スタージェス監督が西部劇として見事にリメイクしてみせた傑作。
ってことで、たまんねぇ男たちの数で圧している映画だわ。ガキん頃にテレビで観てさ、家族団欒で一杯入ってごきげんな両親は当たり前に先に観ていて、ワクワクしているオレに向かって「誰が生き残るかねぇ~」なんて振ってくるもんだから、ブラウン管を凝視するしかなかったよ。
西部劇だから、出演している男たちの匂い、薬莢の香りやらマンダムやらLARKやら砂埃がうちのリビングに吹き込んできた感じがしたもんね。映画ってそうじゃねぇといけねぇ。酒飲ってる両親とオレはパジャマ姿だったのは今思い返せば笑っちゃうんだけども、両親がリビングで飲んでたダルマのボトルは、しっかりとテンガロンハット被ってベストなんかを装着していたから、リビングも西部劇モードだわな。
チンチンがまだ粉チーズの匂いを発していた頃だもんね、週明けに学校に行って同じ粉チーズチンポ仲間たちとも、『荒野の七人』の話で盛り上がったなぁ。って、この男たちと酒と粉チーズと悪者を倒すっていう匂いが強烈に残ってるからこそ、映画に出てくる男たちに感情移入したわけなんだよなぁ。オレの『荒野の七人』の感想はこれでいいのかな? スタージェスさん?
◯◯業界のトップは誰だ!
ユル・ブリンナー? カーツ大佐? それとも宇多丸?
元ネタの『七人の侍』のリーダーは寅さんにりんどうの話してたお爺さん(※『男はつらいよ 寅次郎恋歌』1971年)だけども、『荒野の七人』の中でややこしい男だらけをまとめるリーダー役はユル・ブリンナー。確かにユル・ブリンナーはシャム国の王様(※『王様と私』1956年)でダンスしたり(今で言うケン・ワタナベなのか?)、「西の世界」(※『ウエストワールド』1973年~『未来世界』1976年)では殺人ロボットであり、富士フィルムのコマーシャルで大凧に乗って正月に「ハッピーニューイヤー」と空を舞ったり、死の直前には今いろいろうるさい嫌煙のメッセージを世界に発信したんだから、やっぱりリーダーの器だったね。
https://www.youtube.com/watch?v=ZaWde7gj72s
「スキンヘッド業界」のトップは誰だろうか? やっぱりユル・ブリンナー、テリー・サバラス、カーツ大佐、殿山泰司、ハードボイルド・ハガティ、モンゴリアン・ストンパー、ブルート・バーナード、アブドーラ・ザ・ブッチャー、大木金太郎、キラー・カン、山本小鉄、後藤達俊、PRIDE1のヒクソン・グレイシー、ザ・ロック、ストーン・コールド、武藤敬司、プロレスが多いなぁ……身近なところで井手らっきょ、RHYMESTER・宇多丸か!
(※注)オレが昔に行ったソープランドの「尼御殿」の姉さんは入れたいけど男衆じゃないので名前を入れず。あと、サンプラザ中野くんってのはオレの人生になんのインパクトも影響も与えてないので除外(笑)。
そうは言ってもこの映画のリーダーはスタージェス監督なんだけど、とにかく撮影現場は「オレがオレが」の男衆の集まりだったから、演出以外に自分勝手な男たちがカメラがローリングしたら好き勝手に目立とうとしちゃうから監督は大変だったらしいけど……。特に「オレがオレが」というか、自分を他の俳優さんたちより少しでも魅せようとした筆頭が(スティーヴ・)マックィーンだったっていう! フリーアンドイージーなマックイーンの自分勝手、たみゃらんぜよ!
スタン・ハンセンに告白!「オレに一番の西部劇を見せてくれたのは貴方なんです!!」
テンガロンハットが似合う男たちがずらりと揃ったこの映画だけども、日本人でテンガロンハットが似合う男って誰だろう? 萩原流行さんは亡くなったし、なぎら健壱さんぐらいなものか。プロレスラーでもテンガロンハットが似合う男がいたな。スタン・ハンセンだ。
何度か対談させてもらっているんだけども、対談が終わって「ハンセンさん、オレは子どもの頃からテンガロンハットでカウベル振り回し、必殺技はウエスタンラリアットって、オレから見たら本当の西部の男の代表は貴方、スタン・ハンセンなんです。ジョン・ウェインだろうが『荒野の七人』だろうが、ブリンナー、マックイーン、ブロンソン、コバーンなんて男がいようが、私にとって貴方が一番、オレに西部劇を見せてくれた『荒野の七人』の男たちよりもカッコイイ男があなたなんです!」と告白してしまった。
通訳さん(戸田奈津子に非ず)を通してオレの言葉を聞いてくれたスタン・ハンセンはニッコリ笑って、試合後にアリーナに突き上げるテキサスロングホーンをオレの目の前にスッと差し出してくれたんだよなぁ。
7人目は誰!? 極私的「荒野の七人」を爆選!
って『荒野の七人』となんの関係もない話になってるよ! もっと話を大きくそらせよう、オレの人生の荒野で出会った「玉袋筋太郎の私的『荒野の七人』」を選出したい。
北野武
言わずとしれたオレの師匠、なんと言っても高校時代のオレに「おれんところ来いよ」と言ってくれて弟子入りさせてくれ、日本一のキラキラネームである「玉袋筋太郎」を命名してくれ、こうしてオレがあるのも総て師匠のおかげ。
八百屋のおじちゃん
近所の店舗を持たずハイエースに野菜を積んで、青空八百屋をやってるおじちゃん。20万キロ走行のハイエースでオレと一緒に川に行き、ナマズやメダカを捕まえる。そのハイエースの姿はまるで幌馬車。青空の下、クサヤ焼いて、素麺茹で啜ったり、オレにビールを用意してくれて、本人は飲みたいのに飲まない。オレはこのおじちゃんと遊びに行くために生きていると言ってもいい程、大切な友達。
鳶の頭
その八百屋のおじちゃんの友達だった鳶の頭。お地蔵さんみたいな顔して、いつもニコニコしているが背中には龍の入れ墨。頭がおじちゃんと遊びに行く時に作ってくれた、つけそばのタレと煮豚と味玉は最高だった。十年前に没。だけど、おじちゃんと遊びに行くときには頭の分の酒を供えている。だから今も一緒に遊んでいるようなものだ。
毒蝮三太夫
若い頃から「将来は蝮師匠のような人になりたい」と思っていた。玉袋筋太郎出現前の元祖キラキラネーム! ラジオの外回り50年やっている鉄人、歩くパワースポット、最後のジェダイである蝮師匠。まさか、その師匠と同じラジオ番組で共演できるようになるとは思わなかった。一緒にプロレス観に行ったりお酒を飲めるときの幸せ感よ! 毒舌マシンガンの名手!
村西とおる
お待たせいたしました、お待たせしすぎたと言っても過言ではありません。その人生の波乱万丈ぶりは他の追随を許さず! ダイナミックな性行為と生き様を見せてくれるスーパースター。スペルマを撃ちまくったスナイパー! う~んナイスですねぇ~。
女房の父親
オレと女房のトラブル結婚を許してくれた恩人。酒もタバコも飲まず、淡々と仕事をして女房と妹を育て上げた男。ガンを患い、骨と皮だけになってしまったお義父さんとの生前最後の対面では「祐ちゃん(オレの本名)、オレが酒飲める人間だったら、もっと祐ちゃんと色んな話ができたと思うんだけどさぁ、紀子(妻)が祐ちゃんと結婚した時、最初はなんであんな男と紀子がって思ってたんだよ。でも、紀子と晃宏(愚息)をしっかり面倒見てくれて本当に感謝してる、ありがとう」と言ってくれた。オレの心を撃ち抜いた天国にいるスナイパー。
https://www.instagram.com/p/Bc4wiLfAUGK/?utm_source=ig_web_copy_link
揃ったねぇ~、オレの『荒野の七人』が! あれ、一人足りない? そう、6人しかいないね。すみません、いつかオレがこの最後のひとりに入れるような男になりてぇってことだ。そしたら私的『荒野の七人』の完成だ! それか、もしかしたらオレじゃなく、また新しい出会いがあり、その人が七人目になるかもしれないな。まぁ、そんなこんなで『荒野の七人』観てください!
文:玉袋筋太郎
『荒野の七人』
毎年、野盗に襲われるメキシコの寒村イストラカン。そこで村の長老は助っ人を雇うことを決意する。わずかな報酬にすぎなかったが、農民達の熱意に打たれて7人のガンマンが集まってきた。着々と進む戦いへの準備!思わぬ農民たちの抵抗により、いったんは逃げ帰った一味だったが……。
制作年: | 1960 |
---|---|
監督: | |
出演: |