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「待って待って待って、待った結果が“命”だからね、いい仕事でしょ?」自然分娩を選択した女性たちと助産師を見つめるドキュメンタリー『1%の風景』

「待って待って待って、待った結果が“命”だからね、いい仕事でしょ?」自然分娩を選択した女性たちと助産師を見つめるドキュメンタリー『1%の風景』
『1%の風景』©2023 SUNSET FILMS

99%のお産が病院やクリニックといった医療施設で行われている日本で、助産所や自宅での出産という「1%の選択」をした4人の女性と、彼女たちをサポートする助産師の日々をみつめたドキュメンタリー『1%の風景』が本日、2023年11月11日(土)より公開される。

『1%の風景』©2023 SUNSET FILMS

命が生まれようとする“その時”をともに待つ助産師たち

あまり知られていない助産所という場所。そこでは一人の助産師が、医療機関と連携し、妊娠、出産、産後と子育ての始まりまで、一貫して母子をサポートしている。健診のたびに顔を会わせ、お腹にふれ、何気ない会話を交わす。妊婦と助産師はささやかな時間を積み重ね、信頼関係を築き、命が生まれようとする“その時”をともに待つ。

初めてのお産に挑む人、予定日を過ぎても生まれる気配のない人、自宅での出産を希望する人、コロナ禍に病院での立ち会い出産が叶わず転院してきた人。都内にある2つの助産所を舞台に 4人の女性のお産を撮影したのは、本作が初監督作品となる吉田夕日。第一子を病院で、第二子を助産所で出産した経験から、助産師の仕事とその世界をもっと知りたいと、本作の制作を決意したという。

『1%の風景』©2023 SUNSET FILMS

映画『1%の風景』で描かれるのは、助産所や自宅での自然分娩。しかし、大切なのは分娩場所や方法を問わず、命を産み、育てようとする女性のそばに信頼できる誰かがいる、ということ。近年、さまざまな理由によりお産の取り扱いをやめる助産所が増えている。これは、社会が多様化し、選択肢がひろがる一方で、失われつつある“命の風景”をみつめた4年間の記録だ。

『1%の風景』©2023 SUNSET FILMS

瀧波ユカリ「どうかすべての妊婦さんと赤ちゃんが、あたたかくその時を待ってもらえますように」

大きな声で元気に泣く赤ちゃんと、それを見つめ微笑みながら涙ぐむ女性、そして新たな命の誕生を喜び、愛しむ家族の姿……。本作の予告映像には、都内のニつの助産所で出産に挑む女性たちと、そのすぐそばで、命が生まれる”その時”をともに待つ助産師の姿が映し出される。

『1%の風景』©2023 SUNSET FILMS

胎児の心音を確認し、痛みを訴える女性の体をさすり、呼吸をあわせながら出産をサポートする助産師たち。予定日をあくまで「予定」と捉え、⾚ちゃんが生まれる時が生まれる日だとおおらかに構える助産師の姿勢が印象的だ。

『1%の風景』©2023 SUNSET FILMS

自身の子育て体験を育児日記「はるまき日記:偏愛的育児エッセイ」として発表している漫画家の瀧波ユカリは、以下のようにコメントを寄せている。

「私ね待つことが好きなの。待って待って待って…待った結果が“命”だからね、いい仕事でしょ?」

――人を待たせてはいけないと思って生きてきた私は、助産師さんのこの言葉に泣きそうになった。分娩は十人十色ではあるけれど、どうかすべての妊婦さんと赤ちゃんが、あたたかくその時を待ってもらえますように。この映画を観終わった今、祈るような気持ちでそう思う。

『1%の風景』は2023年11月11日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次公開

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